黒人女性と白人女性の肥満

アメリカ全体でみると、肥満者の割合は、白人女性では33%であるのに対して、黒人女性では52%と過半数にたっします。かなり以前から、黒人女性は白人女性よりも太りやすいことが知られていました。

この事実についての従来の理由づけは、たとえば、白人と違って黒人女性には「痩せ願望」が少ないからとか、食事習慣などライフスタイルの相違によるとかいったものでした。

しかし、研究者の中には、生物学的な違いが、黒人女性と白人女性において、肥満感受性の差をもたらすのではないか、と考える人々がいました。そして、1990年代になると、肥満発症の原因となるような、両者の生物学的な差が報告されはじめます。

運動などをしていないとき、つまり安静時におけるカロリー消費量は、白人のほうが黒人よりも大きいというのです。

なお、エネルギー消費の差が肥満を生じるか、という点についてはまだわからないことも多いです。